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臍動脈・臍静脈以外に、臍帯を通っている管がもうひとつあります。 第一破水のときに、尿膜が破裂して黄褐色〜オレンジ色の液体がバシャーッと流れ出る、というお話、覚えていらっしゃいますか?(→お産の話−5)あの尿膜という袋の根元は管みたいな形になって臍帯につながり、臍動脈・臍静脈と並んでそのままトンネルのように胎仔の体の中に入り、とある臓器までつながっています。その臓器とは、なんと膀胱なんです。ピンときた方もいらっしゃると思いますが、あの第一破水のときに出る黄褐色〜オレンジ色の液体は、ほとんどが胎仔のおしっこなのです。そしてこのおしっこを体の外に運ぶトンネルのことを「尿膜管」といいます。 臍帯の中を通っている管はこれで全部です。分娩時にはこれらがひきちぎられ、そしてちぎれた三つの管はそれぞれ少しずつ縮んでコヨリのようになり、最終的には消えてなくなってしまいます。本当によくできていますね。 出生にともない、呼吸の自立、心臓を中心とする循環系の大改造、臍帯の断裂、という大事業をなしとげ、立ち上がって初乳を飲んだあと、新生仔はやがて深い眠りにつきます。これは、まだ体の中でいろいろと試運転してみたり変更してみたりする作業が残っているのです。 これらの作業が、日常的に、またなんの補助も必要とせずに行われているということは、実に驚くべきことだと思います。分娩を迎えるにあたり、清潔で静かな環境がいかに大切か、ということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
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