2013年11月9日 写真は牛の糞便を検査した時のものです。写っているのはアイメリアのオーシストと乳頭糞線虫の卵(赤矢印)です。糞線虫の卵は線虫卵の中ではサイズが小さいことと、牛さんの体外に排出される卵の中にはすでに幼虫が形成されているのが特徴です。卵の中の幼虫は眺めているとたまに動くこともあり、寄生虫になじみのない人でも見ていて比較的楽しめる虫卵だと思います。乳頭糞線虫といえば「ぽっくり病」の原因として有名ですが、かなりの数の成虫寄生がなければ発症は見られず、たいていは少数寄生のため牛さんは特に症状を示しません。そのため、知らない間に牛さんの消化管に住み着いて牛さんの摂取した栄養を横取りしてしまい、牛さんが発育不良になってしまったり免疫低下の原因の1つとなります。 前の記事 第11話:寄生虫の話⑨ | 次の記事 第13話:子牛のおもちゃ |