2013年9月28日 牛さんの体の中でアイメリアはどのような悪さをしているのでしょうか。 アイメリアのオーシストは牛さんの口から体内に入り込み、その後腸管内で消化液(特にトリプシン及び胆汁)がオーシスト壁を壊す引き金となってオーシストからスポロゾイトが遊出します。スポロゾイトは消化管上皮細胞に侵入して無性生殖(シゾゴニー)と有性生殖(ガメトゴニー)を経て、再びオーシストとして牛さんの糞便と一緒に排出されます。無性生殖は数回繰り返され、その際に細胞内に形成されたシゾントと呼ばれる袋が壊れてメロゾイトという虫が多数放出されます。放出されたメロゾイトは新しい細胞へと進入し再びシゾントを形成します。このシゾントが壊れる時に牛さんの細胞も一緒に傷つけられてしまうため、アイメリアが多数寄生するほど消化管の障害も大きくなり、下痢や血便を引き起こしたり、他の病原微生物が感染しやすくなったりするのです。 前の記事 第5話:寄生虫の話③ | 次の記事 第7話:寄生虫の話⑤ |