2013年4月15日 みなさん、いろいろな衛生対策や生産性向上のための対策をなさっていると思います。安上がりな方法や添加剤もあれば、かなり高価に思える方法や添加剤などもあるでしょう。 僕はコンサル先の指導の際に、なるべく対策にかかるコストを明記し、効果の期待度と効果が出たときの収益額の増加を示して、クライアントの判断材料にしていただくようにしています。 たとえば、僕がよくやる「肺炎からの増体低下の復活プログラム」は、ビタミンE注とゼノビタンとパンカル注で1,500円程度(地域や販売店で異なるので)です。これを月に1回3ヶ月やったとして、4,500円。肺炎の程度によりますが、これまでの経験から65%程度は復活しますから、そのままガリ牛で市場に出したときと復活したときの価格差は10万円以上。これらの投資対効果を考え合わせた上で畜主と一緒に採用するかどうかを検討します。 粗飼料や配合飼料にしても同様です。たとえば繁殖母牛の飼料は、1日に1kgから1.5kgしか給与しません。年間で、仮に2kg通して与えたとしても730kgです。10円高くても、その差は7,300円です。もしこれで1周期早く受胎するとしたら、20,000円以上の経費削減になりますから、差し引きでも1万円以上得です。 ですから、「お金を使う」時は、目先の費用ではなく、慎重に費用対効果をしっかり考えなければなりません。安物買いの銭失いとは言いませんが、目先の1,000円を拾う者は100万円を失う、ということは常に念頭に置いておく必要があります。 前の記事 下痢と制限哺乳のお話し | 次の記事 子牛をちょっとつかまえるときに |