2019年9月26日 シェパードでは獣医師を募集しています * * * * * * * * * 「日本との交渉はすばらしいものになった。日本は、アメリカの農産品のために70億ドル分の市場を開くことになる。日本の関税は牛肉、豚肉、小麦、トウモロコシ、ワインなどで大幅に引き下げられる。アメリカの農家と牧場主にとっての大きな勝利だ」 なるほど・・・・そうですか・・・・ このような状況の中で、はたしてどうすれば良いのか? 一つの考え方として、マイコプラズマ・ボビスに感染しても発症させないようにすることがあります。検査結果が陽性でも全く臨床症状を表さない子牛が実は沢山います。一言でいえば、免疫力が高いことから病気に子牛が打ち勝っている状態とでもいいましょうか。では、このような子牛を作るにはどうすればよいのか? 一言でいえば、「ストレスを与えない」につきると思います。 ストレスは色々あると思います。環境はどうでしょうか。暑すぎず、寒すぎず、快適な温度や湿度を保つことがどこまで出来ていますか? 栄養状態はどうでしょうか。ミルクの量は適切ですか?病気に打ち勝つ体力は十分ついていますか?総コレステロールが低くなっていませんか?初乳はしっかりと飲ませていますか?子牛の体力は非常に重要なポイントです。 群編成ストレスはどうでしょうか。過密状態で管理していませんか?子牛を群に絶えず継ぎ足したりしていませんか?群編成ストレスは小生達が思っている以上に大きなものですよ。 あくまでもこれらはほんの一例に過ぎません。他にも子牛にとってストレスになるポイントは沢山あると思います。一つでもストレスとなるポイントを減らすことができないか考えてみてください。あくまでも小生の個人的感覚ですが、人工哺育の子牛と比べて親付の子牛はマイコプラズマ・ボビスに感染しても重症化しにくい傾向があると思っています。うまく母子管理ができれば子牛のストレスは少なく、病気に打ち勝ってくれるのかもしれませんね。また、以前も書きましたが、パスツレラ、マンヘミア、ヒストフィルスに対する細菌性3種混合不活化ワクチンはマイコプラズマ・ボビスの予防に大変重要な役割を果たしていると考えています。このワクチンの投与も検討してみてもよいと思います。マイコプラズマ・ボビスさえ押さえることができれば、他の呼吸器病を発生させる病原性微生物の対応は実はそこまで難しくないと思います。ワクチンや消毒等でしっかり予防できる可能性が高いです。 今週の動画「牛の保定法 3 restraint of cattle’s head 3」 |