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第575話:BRDC病原体の検査について その1 |
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2019年7月11日
先日カミさんから「最近なんか口が臭いから歯石取りに行きなさいよ」と言われ、歯石をとりに行きました。結構すっきりするものですね。今回歯医者さんにチェックしていただいたら、虫歯もないし、特に口腔内に問題はありませんでした。一安心です。しかし、いくら相手がカミさんとはいえ、口が臭いと言われるのは自分では気が付かないだけに意外とショックを受けます。
皆さん、BRDCというものは御存じでしょうか。
これはBovine Respiratory Disease Complexという言葉を省略したものになります。日本語で言えば、「牛呼吸器病症候群」と訳されています。この言葉は一般的に「ウイルスやマンヘミアなどの病原体の感染または長距離輸送、密飼い、気温の急変などによる強度のストレスなどの一次的要因を受けた後、二次的要因として気管内に常在している細菌やマイコプラズマなどが異常に増殖して、肺炎が重篤化する呼吸器病」とか「臨床的に原因が特定されない急性かつ重度の牛の呼吸器病」などと言われています。定義に関して色々と御意見もありそうだし、小生は詳しくないのでこれぐらいにしておきますが、ず~~~と前から現在も多くの牧場でこのBRDCが大きな問題となっています。特に大規模牧場では、いかにしてこのBRDCを防いでいくかということが最重要課題になります。しかし、多くの研究者の方や、獣医さんや薬品メーカーさんやそれこそ様々な人達がこの問題に取り組んでくださっていますが、なかなか現場では解決するのが難しい問題でもあります。
今回はこのBRDCの定義のひとつを書かせていいただいたので、その中からポイントを抜粋してみましょう。
< 定義からみたBRDCのポイント >
・ ウイルスやマンヘミアなどの病原体の感染
・ 長距離輸送
・ 密飼い
・ 気温の急変
・ 気管内に常在している細菌やマイコプラズマ等の異常な増殖
・ 臨床的に原因が特定されない
・ 急性かつ重度の呼吸器病
小生はさらに牛の低栄養状態なども重要ではないかと考えています。
そんな中、昨年末にキャノンメディカルシステムズ株式会社様から、JA全農様と共同開発したBRDC病原体遺伝子を一括で検出できるキットの紹介があり、「おためしプラン」があるという事で、シェパードでも4戸の農場で実際に使用してみました。有難いことに非常に面白い知見を得ることもできました。今回からそれらの結果を踏まえてBRDCについて小生の独自の視点から、何回かに分けて紹介してみたいと思います!
つづく
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